- えい
- I
えい(感)(1)力を入れる時に発する語。
「~, と投げ飛ばす」
(2)怒りや不満を表す時に発する語。「~, 勝手にしろ」「~, いまいましい」
(3)呼びかける時に発する語。 また, 呼ばれて答える時に発する語。「ちと物申さん, ~, といひかけたりけるを/著聞 16」「無期(ムゴ)ののちに~といらへたりければ/宇治拾遺 1」
(4)命令や指示に続けて, 念を押す時にいう語。II「『急げ~』『はあ』/狂言記・烏帽子折」
えい【営】軍隊の宿泊場所。III「~を設ける」
えい【嬰】音楽で, 音高が本来の高さより半音高いこと。⇔ 変「~ヘ音」IVえい【栄】ほまれ。 名誉。V「御臨席の~を賜る」「入選の~に輝く」
えい【永】(1)「永楽銭」の略。(2)1608年, 幕府が永楽銭の通用を禁じた時, 主に関東の畑作貢租や物価表示に用いた銭貨の名目的呼称。VIえい【穎】(1)イネ科植物の花序にある小形でうろこ状の苞葉(ホウヨウ)の総称。 花を包む内・外花穎と小穂を包む二個の苞穎(ホウエイ)より成る。(2)稲の穂を田租とするときの呼び名。~を脱・す「穎脱(エイダツ)」に同じ。VIIえい【纓】(1)冠の後ろに突き出ている巾子(コジ)の根もとをしめた紐(ヒモ)の余りを背に垂れ下げたもの。(2)巾子の背面下部の付属具。 骨を入れ薄絹に薄く漆をかける。 形により, 立纓(リユウエイ)・垂纓・巻纓・細纓などがある。 {(1)}を装飾的に変化させたもの。(3)冠がぬげないように顎(アゴ)の下で結ぶ紐。VIIIえい【翳】さしば。 きぬがさ。IXえい【良い・善い・好い】〔近世江戸語〕よい。「行かずとも~・い/洒落本・遊子方言」
→ えしXえい【英】「イギリス(英吉利)」の略。XI「日・独・~三国」
えい【衛】中国, 周代の諸侯国の一。 武王の弟康叔(コウシユク)を祖とし, 朝歌(現, 河南省内)に都した。 紀元前209年秦に滅ぼされた。XIIえい【裔】子孫。XIII「源氏の~」
えい【裛衣】「裛衣香(エイコウ)」の略。XIVえい【詠・咏】(1)詩歌を作ること。 また, 作った詩歌。「虫の音を聞て~を吟じ/今昔 3」
(2)声を長く引き, 節をつけて詩歌を歌うこと。(3)舞楽で, 舞人が舞いつつ詩句を唱えること。XVえい【郢】中国, 春秋戦国時代の楚(ソ)の都の名。 春秋初期に湖北省江陵県(荊州(ケイシユウ))にあった。 楚は, 鄀(ジヤク)・陳(チン)・寿春に遷都したが, そのいずれをも郢と呼んだ。XVIえい【酔ひ】酔うこと。 よい。XVII「皆~になりて/源氏(行幸)」
えい【鋭】勢いがある・こと(さま)。 するどい・こと(さま)。⇔ 鈍「私利を計るの心極めて~なれば/日本開化小史(卯吉)」XVIIIえい【頴娃】鹿児島県南西部, 揖宿(イブスキ)郡の町。 薩摩半島南端を占め, 東シナ海に面する。 大部分が火山灰台地で, 茶の産地。XIXえい【鱝・鱏・海鷂魚】軟骨魚類のエイ目の総称。 体形は扁平でほぼ菱形に近いものが多い。 胸びれは側方に大きく広がり, 目は背面に, 口と鰓孔(エラアナ)は腹面にある。 尾はきわめて細長く, 基部に毒針をもつものもいる。 アカエイ・イトマキエイ・ガンギエイ・シビレエイなど世界に約三五〇種, 日本近海に約五〇種がいる。 多くは熱帯から温帯の海域に分布。 ﹝季﹞夏。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.